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インフルエンザ感染時のお風呂について

2022.11.28| 感染症・消毒

毎年冬季に猛威を振るうインフルエンザ。特にA型インフルエンザにかかってしまうと高熱や全身のだるさに見舞われることもしばしば。高熱が出たときには体はたくさんの汗をかくため、べたべたする体をお風呂に入ってさっぱりさせたいと思った経験がある人も多いことでしょう。

そこで今回は、インフルエンザに感染した場合のお風呂について紹介します。

インフルエンザの主な症状とは

インフルエンザウイルスに感染すると、感染から24時間以上経ってから症状は現れはじめ、38℃以上の高熱、強い悪寒や全身の倦怠感などの「全身症状」が起こります。その後、咳やのどの痛み、鼻炎などの「呼吸器症状」、吐き気などの「消化器症状」が現れることもあります。

これらの症状は発症してから数日でおさまってきますが、個人の体力や体調によって前後します。

インフルエンザにかかったらお風呂はどうしたらよい?お風呂に入る際の注意点は?

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お風呂に入ると汗や汚れのほかに、体についたウイルスを洗い流せるため、感染予防にもつながります。また、お風呂に入ることによって血流がよくなり、体温があがることで免疫細胞が働きやすくなるため、免疫力の活性化が期待できます。一方で、入浴中は体温を下げようとして汗をかきやすく、エネルギーを消費してしまうため、体力が十分でない状態では入浴をおすすめできないこともあります。

ここでは、お風呂に入ってもよい時期やお風呂に入る際の注意点を知っておきましょう。

 

■インフルエンザに感染した初期のころ

感染初期には、高熱、悪寒、全身の倦怠感などの症状が現れます。体がウイルスと闘っている真っ最中ですので、体力がかなり消耗されている状態にあります。また、高熱で歩くのもふらふらする状態ではお風呂で思わぬ怪我をする危険もあります。そのため、この時期の入浴はおすすめできません。

 

■熱が下がってきたころ

発症から数日経って熱が下がってきても油断は禁物です。体温が何℃くらいまで下がったら入浴は大丈夫という明確な基準はありませんが、体調も普段と変わらないような状態になっていれば、短い時間の入浴やシャワーも可能です。ただし、この時期でも体内にはウイルスがまだ存在していますので、お風呂に入る際の注意点を守り、体調が再び悪化することがないようにすることが大切です。

逆に、熱が下がってきても体調がすぐれなかったり、体がだるかったりする場合は、体力を温存するためにも入浴は控えるようにしましょう。

 

■B型インフルエンザで熱があまり上がらない場合

B型インフルエンザにかかった場合には一般的に高熱を伴うことはありませんが、ウイルスと闘っているときの体はA型インフルエンザの場合と同様に体力を消耗した状態です。体のだるさなどインフルエンザ特有の症状がある場合には入浴を控えるようにしましょう。

 

■お風呂に入る際の注意点は?

体調や体力が回復しつつある状況でお風呂に入る場合には、以下の点に注意しましょう。

 

1.長風呂は避ける

長時間の入浴は体力を消耗しますので避けましょう。最初はシャワー等で汚れや汗を流す程度にとどめ、体力が回復してきたら、38~40℃のぬるま湯に10分程度浸かって体を温めましょう。

 

2.入浴後は体を冷やさない

お風呂の前に脱衣所を暖めておき、入浴後の体が冷えないようにしましょう。また、体についた水分の気化熱によって体が冷えて湯冷めしてしまうため、タオル等で水分を十分に拭き取ることが大切です。洗った髪の毛はドライヤーで素早く乾かし、お風呂あがりは温かい服装で過ごしましょう。

 

3.入浴の前後で水分補給をする

インフルエンザにかかっていると水分が消費されます。また、入浴で汗をかいてしまうと、体は水分不足に陥りやすくなります。水分はこまめに摂取し、脱水状態にならないようにしましょう。

インフルエンザはお風呂でも感染するの?主な感染経路はどこ?

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家族がインフルエンザに感染した場合、同じお風呂に入っても大丈夫なのか心配になりますね。お風呂や脱衣所でインフルエンザが家族にうつる恐れがないのか知っておきましょう。

インフルエンザウイルスは低い温度と低い湿度の環境を好みますが、お風呂場のような温度や湿度の高い場所では生存できません。

そのため、インフルエンザにかかった家族が入ったあとに他の家族がお風呂に入ってもインフルエンザに感染することはほとんどありません。また、インフルエンザに感染した小さなお子さんと一緒にお風呂に入らなければならない場合でも、親が感染する可能性はほとんどありません。

それでも心配な人は、感染した家族のお風呂を最後にしたり、お風呂場をアルコールなどで消毒したりしておくと安心です。

脱衣所はお風呂場と違い、温度や湿度が低い場所であるため、インフルエンザウイルスは感染力をもった状態で生存します。暖房器具を使って暖かくしておきましょう。また、感染した家族が使ったバスタオルにはウイルスが付着していることがあり、それを使った家族にインフルエンザがうつってしまうことも。タオル類は使い回しせず、感染した家族が使い終わったらすぐに洗濯しましょう。

お風呂場や脱衣所に限らず、感染した家族が触れたスイッチやドアノブなどにはウイルスが付着します。そこに触れた他の家族にウイルスが感染してしまうケースもあるので、消毒剤を上手に使って除菌・消毒したり、手をこまめに消毒したりするなどして、感染を防ぎましょう。

さいごに

インフルエンザウイルスに感染すると体力はかなり消耗した状態になります。症状が現れはじめたころは入浴を避け、体力が回復してきたら軽めの入浴で汗を流す程度としましょう。お風呂あがりには水分をしっかりふき取って温かい服装をし、水分補給を心がけることも忘れずに。

お風呂のシーンだけでなく、家族がよく触れる環境や家族の手指は消毒剤を使ってこまめに消毒し、インフルエンザウイルス感染から家族を守りましょう。

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