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インフルエンザの予防接種を受ける間隔は?

2022.11.28| 感染症・消毒

間が空きすぎると効果がなくなるの?

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体調を崩して2回目の予防接種が受けられなかった、他の予防接種と予定が重なっているのでインフルエンザの予防接種をいつ受ければいいのかわからない…など、予防接種が予定通りに受けられないことはよくあります。ここでは、特にインフルエンザの予防接種を受ける時期や間隔について詳しく解説します。

 

インフルエンザの予防接種を受ける時期は?

インフルエンザの予防接種は、毎年インフルエンザの流行が始まる前の10~12月中旬までに受けておくと良いでしょう。13歳以上の人は、1回接種が原則。早めに流行することも考えると、10月下旬~11月上旬に受けるのが理想的でしょう。また、13歳未満の子どもは2回接種が必要です。12月中旬までに2回の接種を終えられるように、たとえば1回目を10月下旬~11月上旬に、その後2~4週間あけて2回目を11月下旬~12月初旬に受けると良いでしょう。

 

インフルエンザの予防接種の持続力について

インフルエンザの予防接種を受けると、体の中でインフルエンザウイルスに対抗するための抗体が作られます。抗体は、予防接種を受けてからすぐにできるわけではなく、2~3週間をかけてウイルスに対抗できるようになります。そして予防接種から、約1ケ月後にその力はピークを迎えます。しかし、その効果はずっと持続するわけでなく、3~5ケ月をかけて少しずつ薄れていくという特徴を持っています。

 

インフルエンザの予防接種。1回目と2回目の間隔はどのくらい?

13歳未満の子どもの場合

インフルエンザの予防接種を2回受けることになっている13歳未満の子どもは、免疫機能が大人のように整っていないため、1回の接種だけでは充分な抗体がつくられにくいといわれています。このため、抗体を強化することを目的として、1回目の予防接種から2~4週間の期間を空けてもう一度予防接種をすることになっています。

13歳以上で2回接種が必要な人の場合

また13歳以上でも、基礎疾患があるなどの理由で免役機能が充分に働いていない場合にも、2回の接種が必要となります。この場合は、1回目の接種から1~4週間空けて2回目の予防接種を受けます。

 

 

間隔が空きすぎた場合の効果について

インフルエンザの予防接種を1回した子どもが、次の接種の際に熱を出してしまって2回目を受けることができなかったというケースはよくあります。では、2回目の予防接種が1回目の接種から2~4週間後の期間を過ぎてしまった時にはどのように対応すればいいのでしょうか。

 

このような場合は、予定していた期間からずれてしまったとしても、体調が良くなってから2回目の予防接種を受ければ問題ありません。予防接種を受ける間隔が2~4週間と決められているのは、その間に受ければ、一番効果が高いということがわかっているからです。しかしながら、少し間隔がずれてしまったとしても、全く効果がなくなるということはないので、体調に無理のない時期にもう一度受けるようにしてください。

 

日本脳炎や風疹などの予防接種とインフルエンザの予防接種の間隔について

予防接種に使う主なワクチンには、病源体の毒性を弱めたものを原材料とした「生ワクチン」と、病源体の感染能力を失わせたものを原材料とした「不活化ワクチン」の2種類があります。インフルエンザの予防接種を別の予防接種と同じ時期にしたい時には、ほかの予防接種が生ワクチンを使ったものか、不活化ワクチンを使ったものかによって、接種に必要な間隔が変わってきます。

先に生ワクチンを接種する場合

たとえば、「ロタウイルス」「BCG」「MR(麻しん風しん混合)」「水痘(みずぼうそう)」「おたふく風邪」の予防接種では、生ワクチンを接種します。このような生ワクチンを接種した場合には、4週間以上間隔を空けて次の予防接種をすることになっています。この場合、生ワクチンの次にする予防接種が生ワクチンであっても、不活化ワクチンであっても間隔は4週間以上空ける必要があります。

例)

・MR(麻しん風しん混合)の予防接種<生ワクチン>→4週間以上経過→インフルエンザの予防接種<不活化ワクチン>

・水痘(みずぼうそう)の予防接種<生ワクチン>→4週間以上経過→インフルエンザの予防接種<不活化ワクチン>

 

先に不活化ワクチンを接種する場合

逆に「インフルエンザ」「Hib(ヒブ)」「小児用肺炎球菌」「B型肝炎」「2種混合(ジフテリア、破傷風)」「3種混合(ジフテリア、百日ぜき、破傷風)」「4種混合(ジフテリア、百日ぜき、破傷風、ポリオ)」「日本脳炎」「HPV」などの不活化ワクチンを先に接種した場合には、次の予防接種は1週間以上間隔を空けることになっています。不活化ワクチンの次にする予防接種が生ワクチンであっても不活化ワクチンであっても、空ける間隔は1週間以上になります。

例)

・Hib(ヒブ)の予防接種<不活化ワクチン>→1週間以上経過→インフルエンザの予防接種<不活化ワクチン>

・インフルエンザの予防接種<不活化ワクチン>→1週間以上経過→4種混合の予防接種<不活化ワクチン>

・インフルエンザの予防接種<不活化ワクチン>→1週間以上経過→MR(麻しん風しん)の予防接種<生ワクチン>

 

優先するべき予防接種とは…

特に乳幼児などは様々な予防接種が必要であり、それらに加えてインフルエンザの予防接種をするのは簡単ではありません。なかには百日ぜきや麻しんなど、予防接種の種類と推奨される接種時期が決まっているもの(定期接種)があり、乳幼児期には決められた定期接種の予防接種から優先的に受ける必要があります。インフルエンザの予防接種は、生後6ケ月から接種が可能ですが、最初のうちはひとまず定期接種を受けることを優先し、可能ならインフルエンザの予防接種を受けるというスタンスでもいいでしょう。わからないときには主治医に相談してみましょう。

 

まとめ

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予防接種を受ける時期や間隔は、それぞれのワクチンの性質などによって決められています。特に予防接種の多い乳幼児期には、スケジュールを組むのが大変ですが、お子さんの体調や主治医の意見を参考にしながら、上手に予防接種の予定を立ててください。

 

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