2020.10.12 乾燥肌

【医師監修】乾燥肌は漢方で改善できる? 肌症状に適した漢方薬を紹介

乾燥肌
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丁寧なスキンケアを続けているのに、乾燥肌が思うように改善しない……。そんな場合、外側からのケアだけでなく、体の内側にある乾燥肌の原因にアプローチする方法を取り入れるのがオススメです。そこでぜひ試してみたいのが、漢方薬です。薬効のある草や木、動物や鉱物など、自然にあるものを用いた”生薬”によって、体の内側から肌を立て直してくれると注目を集めています。今回は、乾燥肌を漢方で改善する方法について解説します。

漢方における、乾燥肌の状態とは

●漢方の考え方
漢方とは、中国医学をもとに日本で発展してきた伝統医学です。漢方では、人の体は「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」の3要素で構成されていると考えられています。「気」は体を動かすエネルギー、「血」は全身の組織や臓器に栄養を与えるもの、「水」は飲み物や食べ物から得られる潤いをそれぞれ指し、これらのバランス整えることで、体がもつ本来の働きを高め、自ら正常な状態に戻していこうとする医学なのです。具体的な治療法としては、全身にあるツボを刺激する鍼灸(しんきゅう)、日々の食事を大切にする食養生、そして、自然に存在する動植物などの薬効を有する産物を原料とする生薬(漢方薬)の服用があります。これらを用いて、気になる症状の元凶となる体質から改善し、体の不調を根本的に治していくのが漢方の大きな特徴といえます。

●漢方における乾燥肌の状態
漢方は体質改善に適した医学であることが分かりました。それでは、漢方において、乾燥肌はどのように捉えられているのでしょうか。

漢方における乾燥肌は、「血虚(けっきょ)」という体質が引き金であると考えられています。血虚とは、先に解説した、体を構成する3要素の一つ、「血(けつ)」が不足している状態です。血が不足することで全身に栄養が行き届かなくなり、肌も栄養不足となるため、皮脂の分泌が低下します。皮脂の減少によって肌内部の水分が保てなくなった結果、乾燥肌が引き起こされていると考えられています。

乾燥肌に効果的な四物湯(しもつとう)

漢方における乾燥肌の状態は、「血虚」であることが分かりました。これを改善するには、不足した「血」を補うことが大切です。そのために用いられる代表的な漢方薬が「四物湯(しもつとう)」です。

四物湯には「補血=血を補う」「活血=血のめぐりをよくする」という薬効をもつ4つの生薬、ジュクジオウ・シャクヤク・センキュウ・トウキが配合されており、不足した血を補いながら巡りをよくする効能があります。主に風邪の際に用いられるのですが、肌に栄養を届け、保水力を回復させる効果も期待できるため、乾燥肌の改善にも有効だと考えられています。乾燥肌を改善したい場合、まずはこの漢方薬を試してみるとよいでしょう。

乾燥肌の症状別オススメの漢方薬

漢方薬のイメージ

乾燥肌とひと口にいっても、症状は人それぞれに異なります。以下は、症状別に適した代表的な漢方薬です。気になる症状に合わせて選びましょう。

●当帰飲子(トウキインシ)

皮脂の分泌が減ることで肌が乾燥し、角質がはがれる皮脂欠乏性湿疹や老人性皮膚掻痒症に用いられる。「血」と「気」を補うことで、肌に栄養と潤いを与え、肌の乾きやかゆみの改善が期待できる。冷え性の改善にも効果的。

<適応する皮膚症状>
カサカサと乾燥した肌に適している。ジュクジュクと湿潤している場合は適さない
<主な配合生薬>
ジュクジオウ、シャクヤク、センキュウ、トウキ、ケイガイ、ボウフウ、シツリシ、カシュウ、オウギ、カンゾウ

●温清飲(ウンセイイン)

乾燥肌で、赤みやかゆみ、ヒリつきなどの炎症が顕著な湿疹皮膚や皮脂欠乏性湿疹、手指の湿疹(主婦湿疹)に用いられる。月経不順や月経困難、更年期障害の改善にも適している。

<適応する皮膚症状>
皮膚が乾燥して色つやが悪く、かゆみを伴っていたり、ジュクジュクと湿潤している状態
<主な配合生薬>
ジュクジオウ、シャクヤク、センキュウ、トウキ、オウゴン、オウバク、オウレン、サンシシ

●十全大補湯(ジュウゼンタイホトウ)

「気」「血」「水」の3つを補い、全身状態をよくすることで気になる不調の改善を目的とする漢方薬。
<適応する皮膚症状>
胃腸の調子が悪く栄養不足や貧血傾向があり、手足に冷たさを伴う乾燥肌
<主な配合生薬>
ジュクジオウ、シャクヤク、センキュウ、トウキ、オウギ、ケイヒ、ソウジュツ、ニンジン、ブクリョウ、カンゾウ

漢方薬を用いる際の注意点

医師による使用の注意

・皮膚科かドラッグストアで相談を
漢方薬を試してみたい場合、漢方薬を取り扱っている皮膚科で医師に処方してもらうか、ドラッグストアで薬剤師に相談の上、購入します。必ず用法・用量を守って服用しましょう。

・体質に合わない場合は使用を中止
漢方薬は自然界に存在する産物を原料としていますが、薬であるため、副作用が現れる場合があります。胃もたれや吐き気、下痢などの胃腸障害や、気になる症状が現れた際は、ただちに服用を中止しましょう。また、漢方薬は効果が現れるまでに時間を要しますが、1カ月程度服用を続けても、症状に改善傾向がみられない場合、体質に合っていない可能性があります。その場合にも服用を中止し、薬剤師や医師に相談をするようにしましょう。

まとめ

漢方において乾燥肌は、体が「血=栄養」の不足した”血虚”の状態であると考え、これを補うことで改善していこうとします。肌症状に合わせて効果的な漢方薬がさまざまにあることは、とても心強いですね。これまでのケアで思うように効果が得られなかった人は、ぜひ一度漢方薬を試しみてはいかがでしょうか。

中島医師よりコメント
東洋医学では気血水や実虚を診るために、問診と舌、腹部、脈、肌の状態を総合的に診察します。乾燥肌や痒みに対して、体質に合わせて漢方を処方します。漢方の用法用量、副作用についても医師からよく説明を受けて服用してください。

監修者
監修者_中島

医師・中島由美
金沢医科大学医学部を卒業後、大学病院で小児科、市中病院で内科医として勤務。皮膚科、美容皮膚科でも研鑽を積み、2018年クリスタル医科歯科クリニックにて内科、アレルギー科、美容皮膚科を開設。内科院長として勤務。

【医師監修】乾燥肌は漢方で改善できる? 肌症状に適した漢方薬を紹介

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