2020.10.13 乾燥肌

【医師監修】ヘパリン類似物質油性クリームとは? 気になる効果と副作用について

乾燥肌
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ヘパリン類似物質は、子どもからお年寄りまで幅広い世代において、古くから使用されている保湿剤の成分です。近年では、スキンケア製品にも多く配合されており、女性たちの間でも話題となっています。今回は、そんなヘパリン類似物質を主成分とする「ヘパリン類似物質油性クリーム」について、その効果や使い方、使用時の注意点などを紹介します。

ヘパリン類似物質油性クリームの効果

クリームを手に取る女性

●期待される作用や効果は?
ヘパリン類似物質とは、人の肝臓で生成される糖類の一種「ヘパリン」に似た成分で、水分子を引き寄せて保持する特性をもちます。「保湿」「血行促進」「抗炎症」の3つの作用があり、同じ保湿剤であるワセリンが肌の表面を覆って水分の蒸発を防ぐのに対し、ヘパリン類似物質は、肌内部の角質層まで浸透して働きかけるため、保湿効果が持続しやすいとされています。

そもそも健康な肌の場合、角質層がバリアの役割を果たしていて、肌の内側からの水分の蒸発や、外からの刺激を防いでいます。しかし、角質層は紫外線や乾燥などが原因で傷ついたりはがれたりしやすく、そうなると肌の潤いも逃げてしまいます。そうした肌にヘパリン類似物質を継続して使用することで、角質層の水分保持機能を改善し、正常なバリア機能を取り戻すように促してくれるのです。慢性的な肌の乾燥や炎症、肌荒れなどの改善に有効に働くほか、血行障害による疾患にも効果が期待できます。

ヘパリン類似物質を含む保湿剤には、軟膏、クリーム、ローションなどさまざまなタイプがあり、さらにクリームは油性と水性に分かれます。油性クリームは、水性クリームに比べて固めのしっかりとした使用感で、カバー力や保湿力が高いとされています。乾燥がひどい局所の疾患には油性、広範囲の疾患に薄く伸ばすには水性というように、部位や症状によって使い分けることができます。

●何の治療に使われるの?
先にも述べた通り、ヘパリン類似物質には保湿作用と血行促進作用があります。そのため、医療現場では、アトピー性皮膚炎や進行性指掌角皮症の治療の際に皮膚の保湿などを目的に処方されることが多いです。また、しもやけなど血行障害による痛みや炎症をやわらげたり、打撲や捻挫などの腫れや痛み、筋肉痛、関節痛を緩和したりする際にも使われています。さらに、ケロイドの治療や予防にも用いられます。

ヘパリン類似物質油性クリームを使う前に、医師や薬剤師に伝えるべきこと

医師に相談するイメージ

ヘパリン類似物質には、血液が固まるのを防ぐ作用があるため、血友病や血小板減少症など、出血性の血液疾患のある人や、わずかな出血でも重大な結果をきたすことが予想される人、出血しやすい人は、事前に医師や薬剤師に申し出てください。また、妊娠・授乳中の人や、以前に薬を使用して、かゆみ、発疹などのアレルギー症状が出たことがある人も相談をしましょう。さらにほかの薬も使っている場合は、互いに作用を強めたり、弱めたりする可能性もあるため注意が必要です。

ヘパリン類似物質油性クリームの使い方

ヘパリン類似物質油性クリームを手に取るイメージ

ヘパリン類似物質油性クリームは、手を洗った後、指先や手のひらを使って優しく塗ってください。強くすり込むと刺激になることがあるため注意が必要です。皮膚のしわの方向に沿って塗ると伸ばしやすいでしょう。初めて使用する場合は、まずは狭い範囲から試し、万一、刺激を感じたり赤みが出たりしたら、すぐに使用を中止して医師や薬剤師に相談しましょう。
また、傷口や皮膚のただれているところには塗らないようにしてください。目の周辺に使用する場合は、目の中に入らないように注意が必要です。誤って目の中に入った場合には、ただちにきれいな水で洗い流し、違和感があれば医師に相談してください。

●塗るタイミングは?
入浴後5~10分以内は皮膚が柔らかく、保湿剤が浸透しやすいといわれています。お風呂から上がった後、なるべく早く塗りましょう。そのほか朝起きた時や、水仕事の後、トイレの後、寝る前など、1日数回、汗や汚れを落とした後の清潔な肌に塗ってください。

●塗る量は?
一般的に、大人の両手のひらに対して、チューブタイプなら大人の人差し指の先から第一関節までの長さが使用量の目安(約0.5g)とされています。少し多いと感じる量を塗ると効果的です。塗布後の状態でいうと、皮膚の表面がてかり、ティッシュペーパーが張り付く程度が目安です。

●保管方法は?
使用後は、しっかりとキャップを閉め、高温、直射日光を避けて、なるべく涼しいところに保管してください。子どもの手が届かないように注意しましょう。

ヘパリン類似物質油性クリームの副作用

基本的には副作用の発生頻度が少なく、赤ちゃんから高齢者まで使用できるとされていますが、まれに皮膚の刺激感、かゆみ、湿疹、かぶれ、赤らみ、紫色の皮下出血などの症状が現れる場合があります。これらの症状を強く感じたり、症状が長引いたりする場合は使用を中止し、医師または薬剤師に相談してください。

まとめ

ヘパリン類似物質油性クリームは、長年医療現場で使用されてきた保湿剤の代表ともいえる薬です。肌内部の角質層まで浸透して肌を潤すため、保湿効果が長く続くとされる一方で、血液が固まるのを防ぐ作用があることから、使う場合には注意が必要なケースもあります。効果や注意点をよく確かめた上で、効果的に使用するようにしましょう。

中島医師よりコメント
ヘパリン類似物質油性クリームは、同成分の色々な形状の中で一番固くしっかりとした質感です。狭い範囲で乾燥の強いところに使います。肌に塗ってヒリヒリしたり、痒くなったら使用を中止して医療機関を受診しましょう。

監修者
監修者_中島

医師・中島由美
金沢医科大学医学部を卒業後、大学病院で小児科、市中病院で内科医として勤務。皮膚科、美容皮膚科でも研鑽を積み、2018年クリスタル医科歯科クリニックにて内科、アレルギー科、美容皮膚科を開設。内科院長として勤務。

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