2020.06.05 インフルエンザ予防について

【医師監修】香港型のインフルエンザとは?A型、B型、新型などインフルエンザの種類や予防法

インフルエンザ予防について
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インフルエンザは、A型、B型などいくつかの種類に分類することができます。では、それぞれの種類にどういった違いがあるのでしょうか? 今回は、インフルエンザの種類と、過去の流行の変遷、また予防法について紹介します。

インフルエンザの種類

説明する医者

人間に感染するインフルエンザウイルスは、抗原性の違いから大きく分けてA型、B型、C型の3種があります。まずはそれぞれの特徴について説明します。

① A型インフルエンザウイルス
3種のウイルスのなかで最も感染力が強く、やっかいな型とされるA型。140種類以上もウイルスの型があり、感染した人や動物の体内でどんどん進化を続けるため、新たに新型のウイルスが現れるという特徴があります。新型のウイルスは免疫を持っている人が少なく、ワクチンが有効でない可能性も高いので、世界的な大流行を巻き起こす恐れもあります。この型のウイルスに感染すると、悪寒やのどの痛み、頭痛、筋肉痛、せき、鼻水、38℃以上の高熱などの症状が急激に現れるケースが多いです。

② B型インフルエンザウイルス
B型として知られているウイルスの型は2系統(山形系統、ビクトリア系統)しかありません。ウイルスはほとんど変異せず、すでに免疫を獲得している人が多いため、大流行を引き起こす可能性は低いとされています。基本的な症状はA型とさほど変わりませんが、発熱が37℃など軽度で済むケースもあるようです。そのほかに、腹痛や嘔吐、下痢といった消化器系の症状がみられる傾向があるといわれています。

③ C型インフルエンザウイルス
一度感染すると、生涯有効な免疫が獲得できるといわれるのがC型です。免疫を持っている人が多いため流行しにくく、感染しても鼻水程度の軽い症状で済むことが多いといわれています。

上記の3種の型のうち、現在、国内で流行しているのは、A/H1N1型、A/H3N2型(香港型)、B型の3つです。日本では例年冬季に流行するこれらのインフルエンザウイルスは、一般的に「季節性インフルエンザ」と呼ばれます。すでに多くの人が免疫を獲得しているため、大混乱を引き起こす可能性も少ないと考えられています。しかしながら、時として、現在流行しているものとは大きく抗原性が異なるインフルエンザウイルスが現れることがあります。これは「新型インフルエンザ」と呼ばれ、季節に関係なく出現するうえ、多くの人が免疫を持っていないため、短期間のうちに世界的な大流行を引き起こし、生命にまで影響を与える恐れもあるのです。

インフルエンザ流行の変遷

医療文献イメージ

新型のインフルエンザウイルスが出現すると、短期間のうちに、大陸や地域を超えてウイルスが広がる「パンデミック」が引き起こされることがあります。過去には1918年のスペインインフルエンザ(スペイン風邪)、1957年のアジアインフルエンザ(アジア風邪)、1968年の香港インフルエンザ(香港風邪)が知られています。また、21世紀に入ってからは2009年に発生した「H1N1インフルエンザ」が猛威を振るいました。いずれもその感染力は凄まじく、スペイン風邪では全世界で2000~4000万人もの死者が出たともいわれています。こうした新型インフルエンザウイルスは、多くの人が免疫を獲得するにつれて、次第に季節的な流行を繰り返すようになります。実際、2009年のH1N1インフルエンザも、2011年からは季節性インフルエンザとして取り扱われています。しかしながら、新型インフルエンザウイルスは、突如現れることに加え、その規模も予測できるものではないため、日頃から対策をとることは重要と考えられます。

インフルエンザの予防法

それで具体的には、どのような対策が有効となるのでしょうか。

●予防接種を受ける
インフルエンザ対策の基本として、毎年多くの人が受けるのが予防接種です。ワクチンは、その年に流行するインフルエンザウイルスの型の予想に基づいて作られます。ワクチンには、感染を完全に抑える働きはありません。しかし、感染してしまった場合でも、重症化を予防する、発熱などの症状を抑えるといった効果が期待できるため、その有効性は大きいといえるでしょう。

なお、ワクチンを接種してから抗体ができるまでには2~3週間程度が必要とされ、できた抗体の効果も3~5カ月ほどで薄れていくといわれています。インフルエンザのシーズンは例年12月~4月頃で、流行のピークは1月末~3月上旬となる場合が多いことを考えると、11月中には接種を終えておくのが理想でしょう。
接種回数は、医学的な理由によって医師から2回接種が必要と判断されない限りは、13歳以上であれば原則1回とされています。抗体ができにくい13歳未満の子どもの場合は、1回よりも2回接種を行ったほうがより予防効果が高くなるため、原則2回接種となっています。

●栄養バランスの良い食事と、規則的で十分な睡眠をとる
睡眠不足や栄養不足により体力が落ちると、インフルエンザにかかりやすくなってしまいます。規則的で十分な睡眠と、栄養バランスの良い食事を心がけて、免疫力を低下させないようにしましょう。食事には、インフルエンザウイルス予防に有効といわれる栄養素を積極的に取り入れるのもオススメです。卵やレバーなどに含まれるビタミンA、野菜や果物に多いビタミンC、イワシやサンマ、キノコなどに含まれるビタミンD、豚肉やうなぎに多く含まれるビタミンB群などが一例です。ヨーグルトや納豆なども、腸内環境を整えて免疫力を高めるため、インフルエンザ予防に効果が期待できるといわれています。

●こまめな手洗いや手指の消毒を行う
インフルエンザウイルスが体内に侵入する機会を減らすため、石けんを用いたこまめな手洗いや手指の消毒を習慣にしましょう。手が洗えないときには、消毒用のアルコールジェルを利用するのもひとつ。外出先などで手洗いができない場合でもウイルスを取り除けるうえ、手洗いだけでは落としきれないインフルエンザウイルスを除去する際にも役立ちます。また、公共施設のドアノブや電車のつり革、エレベーターのボタンなど、不特定多数の人が触れるものにはウイルスが付着している可能性が高いため、そういった場所を触った後にもアルコールジェルを使えば、手軽に消毒ができるでしょう。

●加湿・換気を行う
インフルエンザウイルスは、高温に弱く、また湿度が高くなると感染力が弱まるといわれています。また、気道粘膜の防御機能を維持するためには適度な湿気が必要です。そのため、加湿器などを使って適切な湿度を保つことも、感染の予防につながります。加湿器がない場合は、濡れタオルなどをハンガーにかけておくのもオススメです。湿度は40~60%を目安に保つように心がけましょう。また部屋を閉め切っていると空気の流れが滞るため、感染のリスクを高めてしまいます。こまめに換気をして空気を入れ替えることを心がけましょう。

加湿

インフルエンザの治療法

インフルエンザへの感染が疑われる場合には、病院を受診し、抗ウイルス薬を処方してもらいましょう。なお、現在の抗インフルエンザ薬は、インフルエンザ発症後の48時間以内に服用しなければ、十分な効果が得られにくいといわれています。ただし、症状が出てからすぐに受診すると、ウイルスが検出されないケースもあるため、12時間以降、48時間以内を目安に病院を受診するようにしてください。また、抗インフルエンザ薬を服用すれば、2日程度で熱は下がりますが、その後も咳やくしゃみ、痰などを通じてウイルスの放出は続きます。そのため、自己判断で薬の服用をやめてしまうと症状が長引いてしまい、周囲に感染を広げる危険性も考えられます。医師の指示や処方に従い、必ず薬を飲み切るようにしましょう。

まとめ

ひと言でインフルエンザといっても、ウイルスの型によって、その症状や流行の特徴はさまざまです。正しい知識を持った上でインフルエンザ対策につながる行動を習慣づけるなどして、ウイルスから自分の身を守ってくださいね。

木村医師よりコメント
インフルエンザには、さまざまな型があります。記述のとおり、予防接種をしていてもかかるケースや、同シーズンに2回以上かかってしまうといったケースも少なくありません。毎年流行の型も異なるため、毎年の予防接種が必要です。重症化を防ぐためにも予防接種や手洗いうがいなど、予防対策をしっかり行っていきましょう。

監修者

監修者

医師・木村眞樹子
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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