2019.10.28 ノロウイルスなど感染症予防について

ノロウイルスとロタウイルスの違いとは? 症状の特徴を解説

ノロウイルスなど感染症予防について
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“胃腸かぜ”や”おなかのかぜ”ともいわれ、嘔吐や下痢、発熱などの症状を引き起こす感染性胃腸炎。夏場に多い細菌性胃腸炎や、秋から春先にかけて流行するウイルス性胃腸炎など、その原因はさまざまです。今回はそんなウイルス性胃腸炎の中でも代表格といえる、ノロウイルスとロタウイルスについて、症状や流行時期の違い、感染した際の注意点などを解説します。

感染性胃腸炎とは?

感染性胃腸炎とは、細菌やウイルスを原因とする胃腸炎の総称で、それらが付着した食品や水、排泄物を扱った手を介してうつります。サルモネラ菌や病原大腸菌などの細菌が原因になる場合と、ノロウイルスやロタウイルスなどの様々なウイルスが原因となる場合がありますが、実際に何が原因となっているかは、感染者の便や吐物を検査しなければ判断ができないため、基本的には「感染性胃腸炎」という病名で呼ばれることが多いのです。
なお、病院で検査を行い原因が分かれば、それに合わせた処置や対応が可能になります。特に重症化しやすい乳幼児の場合は、下痢便の付いたオムツを持参して医療機関を受診すると、検査を速やかに受けられ、適切な処置をしてもらえるでしょう。

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ノロウイルスによる胃腸炎とはどのようなもの?

毎年、晩秋から春先にかけて、保育園や幼稚園、小学校などで流行する胃腸炎の多くは、ウイルス性の感染症です。その代表的なものがノロウイルスで、嘔吐や下痢、発熱などの症状が急激に現れるのが特徴です。ノロウイルスと聞くと、牡蠣を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、これはノロウイルスが付着した二枚貝を、生食や加熱が不十分な状態で食べることによって感染する食中毒です。保育園や学校で流行する集団感染は、これとは違ってほとんどが人から人への感染によるものです。まず誰かがノロウイルスに感染し、その感染者の便や嘔吐物に触れた手や、飛び散った嘔吐物を介して、一気に感染が広がっていきます。もともとノロウイルスは感染力がとても強いウイルスなので、保育園や学校はもちろん家庭で看病する保護者や、トイレを共有する兄弟姉妹といった家族にもうつりやすい病気です。
感染してから発症するまでの潜伏期間は1、2日と短く、症状も1、2日程度で治まっていくのが一般的です。嘔吐・下痢がひどい場合は脱水症状にならないように、こまめに水分補給を行う必要があります。

ノロウイルスとロタウイルスの違い

感染性胃腸炎の中で、大人が感染することが多いウイルスとして、よく知られているのはノロウイルスですが、5歳未満の乳幼児に限定すると、実は最もよく感染するのはロタウイルスです。実に就学前の子どもの約半数が、ロタウイルス感染症で小児科を受診するといわれています。
ロタウイルスは、ノロウイルスと同様に急に嘔吐や吐き気、下痢の症状を引き起こしますが、感染してから発症するまでの潜伏期間は2~4日間と、ノロウイルスよりもやや長いです。そのため、感染したことに気付かない間に二次感染を広げてしまう可能性が高いといわれます。症状や感染ルートはノロウイルスと似ており、有効な抗ウイルス剤がないのも同じです。そのため、どちらも症状に合わせて吐き気止めや整腸剤、解熱剤などの薬を使用する対症療法がとられます。他にも次のような違いがあるので、そのポイントをおさえておきましょう。

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●流行のピーク

ウイルス性の胃腸炎は年間を通して発症しますが、ノロウイルスは11~2月頃、ロタウイルスは3~5月頃に流行のピークを迎える傾向があります。ノロウイルスの流行が落ち着いてきたら、次はロタウイルスが流行し始めるので、気を抜かずに手洗いや衛生管理に努めましょう。

●症状の違い

ノロウイルスは吐き気がはげしく、ロタウイルスは水のような下痢が長く続く傾向があります。ロタウイルスにかかると、時には白い便がみられることもあり、ひどい下痢によって脱水症状が重症化しやすくなります。さらに、ノロウイルスでは軽度の発熱で済むことが多いですが、ロタウイルスでは39℃を超える高熱が出ることがあります。
ロタウイルスは、初めて感染した時に強く症状が現れる傾向があるため、乳幼児が感染した場合は特に注意が必要です。感染した乳幼児の約半数が重症化して入院が必要になるといわれています。また、ノロウイルスの後遺症はほぼないとされていますが、ロタウイルスの場合は、けいれんの群発や急性脳症、多臓器不全などの後遺症が残ることがあります。

●二次感染の危険性

ノロウイルスもロタウイルスも、感染した人の便に大量に含まれているため、それらを介して看病する人にうつってしまう二次感染の危険があります。特に、ロタウイルスに感染した人の下痢便には、1gあたり1000憶から1兆個といわれる大量のウイルスが含まれ、その数はノロウイルスの100万倍にあたります。また、その感染力は非常に強く、10~100個くらいのわずかなロタウイルスが口に入っただけでも感染してしまうため、感染者の排泄物を処理する際の衛生管理がとても大切です。さらに、症状が治まった後も1週間~10日間は便にウイルスを排出し続けるので、油断は禁物です。

●発症する頻度

ノロウイルスは、遺伝子型の種類が多く進化のスピードも速いため、一度感染してもまた別の型のウイルスにかかるなど、何度も感染し発症してしまいます。一方、ロタウイルスは、感染自体は繰り返すものの、2回目以降の感染では症状が軽くなる傾向があるといわれています。そのため、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスへの感染を経験しますが、その後は大人になって感染してもほとんどの場合は症状が出ません。

●予防接種の有無

現時点では、ノロウイルスを予防するワクチンは開発されていませんが、ロタウイルスのワクチンは開発されており、日本では2011年に承認されました。そのワクチンは、2回の接種が必要なものと、3回の接種が必要なものの2種類があります。どちらも接種対象年齢が限定され、生後6~32週までの乳児にしか投与できません。しかも、いずれの場合も1回目の接種は14週6日までに済ませることが推奨されています。乳幼児期は、他の病気の予防接種も頻繁に受ける必要があるため、医療機関に接種スケジュールを早めに相談しましょう。

まとめ

ノロウイルスやロタウイルスを代表とする感染性胃腸炎は、激しい吐き気や嘔吐、下痢などの症状がつらい病気です。食事や水分などの栄養を十分に取れず、体力も落ちてしまうため、症状が治まった後も全快するには時間がかかることも多いようです。特に、多くの乳幼児が感染するロタウイルスは、重症化しやすので注意が必要です。感染が疑われる場合には、早めに医療機関を受診し、脱水症状や後遺症が現れないように気を付けましょう。

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