2020.11.20 ノロウイルスなど感染症予防について

【医師監修】ノロウイルスの検査は自費? 検査費用はいくら?

ノロウイルスなど感染症予防について
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インフルエンザやノロウイルスなどの感染症が疑われる場合、医療機関にかかり、検査を受けることがあります。また、何の病気かはっきりさせたいため、自ら進んで検査を希望する場合もあるでしょう。その際に注意したいのは、実はノロウイルスの検査は保険適用外となるケースが多いということ。精算時に慌てないよう、保険適用となる要件や、検査費用について知っておきたいですよね。今回は、ノロウイルスの検査について解説します。

ノロウイルスの検査は保険適用されない?

医者の問診

ノロウイルスに感染すると、発熱や腹痛、嘔吐、下痢といった症状が現れます。これらはほかの細菌やウイルスに起因する胃腸炎と症状の現れ方が同じであるため、病状だけでは病原体を特定することは難しく、確定診断には検査が必要となります。しかし、多くの病院では、検査による確定診断は行わず、患者の症状や周囲の感染状況からノロウイルス感染症と推定し、治療を行うのが一般的です。というのも、現段階ではノロウイルスに対する抗ウイルス剤がないため、ノロウイルスが病原体であると確定したからといって、治療法が変わるわけではありません。ほかの胃腸炎と同様に、対症療法によって自然治癒を目指すのが標準的な治療となることから、検査が行われないケースが多いのです。

ただし、症状が重いときや、乳幼児や高齢者など重症化しやすい患者は、病原体をつきとめることで、より適切に対処できるケースがあり、この場合、医師の判断により検査を受けることがあります。また、保育園や職場に診断書を提出しなければならない場合など、必要があれば検査を希望することも可能です。この際、注意が必要なのは、ノロウイルスの検査は患者により、保険適用の有無が異なるという点です。ノロウイルスの検査において保険適用となるのは、以下の要件のいずれかに該当する場合です。

・3歳未満の患者
・65歳以上の患者
・悪性腫瘍の診断を受けている患者
・臓器移植後の患者
・抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、または免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者

上記要件のいずれかに該当すれば保健適用となりますが、これらに該当しなければ自費となり、負担も大きくなります。先に述べたように検査は必須ではないので、費用も考慮したうえで、検査を検討するとよいでしょう。

ノロウイルスの検査方法とその特徴

顕微鏡

ノロウイルスの検査にはいくつか種類があり、状況に応じて使い分けられています。主な検査は以下のものです。

●ノロウイルス抗原検査
一般的に外来で行われる簡易検査です。患者の糞便中のノロウイルスを検査キットで検出して鑑別します。検査にかかる時間は短く、15~30分程度で陽性・陰性が判明します。ただし、判定結果は100%正確というわけではなく、ウイルスの量が少ない場合などは、ノロウイルスにかかっていても陽性と出ないケースもまれにあるようです。

●電子顕微鏡などによる検査
飲食店や学校などでノロウイルスの集団感染が発生した場合に、行政機関や研究機関が原因究明のために実施する検査です。電子顕微鏡を用いる方法や、遺伝子を検出するRT-PCR法、リアルタイムPCR法などを用いて、感染が疑われる人の嘔吐物や便からノロウイルスを検出します。抗原検査よりも感度が高く、正確性に優れていますが、検査結果が出るのに数日~数週間程度かかります。

病院の外来で検査を受ける場合、素早く検査結果が判明するノロウイルス抗原検査が行われるのが一般的です。大人の場合は内科や消化器内科、乳幼児や小児の場合は小児科で受けられます。

ノロウイルスの抗原検査の費用

電卓と聴診器

ノロウイルスの抗原検査は、先に解説した要件に該当しなければ自費となります。自費の場合は病院によって金額が異なりますが、おおむね3000円~5000円程度となるようです。ただし、検査以外にも初診料や薬代、必要があれば診断書の代金などがかかる場合があるため、一度の診療で数千円から1万円程度の費用が必要になってきます。

なお、検査が保険適用となる場合、検査料の保険点数は150点のため、1割負担なら150円、3割負担なら450円です。これに初診料や薬代などが加算されても、自費と比べて金銭的負担はとても少なくなります。

ノロウイルス感染症の治療法

水のペットボトルとタオル

ノロウイルスによる感染症の治療は、検査の有無にかかわらず、対症療法が行われるのが一般的です。先に解説したとおり、現段階ではノロウイルスに対する抗ウイルス剤がまだないため、嘔吐や下痢によって体内からウイルスが排出されることで、自然治癒するのを待つことになります。嘔吐や下痢がひどい場合は、症状を緩和させるため、吐き気止めや整腸剤を処方される場合もありますが、これによって体内のノロウイルスを死滅させることはできません。下痢や嘔吐のピークは1、2日なので、その間はこまめに水分補給をし、脱水症状を起こさないよう注意しながら、安静に過ごしましょう。飲み物は、体に吸収されやすいイオン飲料や経口補水液がよいとされています。ビタミンやミネラルが配合されたゼリー飲料もオススメです。食欲が出てきたら、おかゆやスープなど、消化のよい食事からはじめ、徐々に通常食に戻していきましょう。

症状が長引いたり、水分や食事が十分にとれない状況が続いたりすると、脱水症状が進行する可能性があります。この場合、速やかに医療機関へかかりましょう。点滴の処置により、水分と栄養を効率的に補給することで症状を改善することができます。脱水症状は放っておくと、命に関わる重篤な事態を招くこともあるため、注意しなければなりません。なかなか症状が改善されない場合は、再度医師の診察を受けるようにしましょう。

まとめ

ノロウイルスの検査は、多くの患者が自費となりますが、条件によっては保険が適用されるケースがあることが分かりました。ただしノロウイルス感染症は、検査の有無に関わらず基本的な治療法に変わりはないため、検査は必須ではありません。ノロウイルス感染症で医療機関にかかった際は、検査の必要性と費用負担を考慮し、検査を受けるかどうか判断するようにしましょう。

木村医師よりコメント
一般的に、診断を確定することで治療法に影響がある場合に検査が行われます。ノロウイルス感染症を含む感染性胃腸炎では、診断の確定有無にかかわらず治療法に変わりはないので、検査は保険適応となりません。感染症の予防、また、症状を悪化させないためには、体調を整えることが大切です。無理に食べず、水分補給を適切に行って、症状が治るまで静養してください。

監修者

監修者

医師・木村眞樹子
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科として在勤中。内科・循環器科での診察、治療に取り組む一方、産業医として企業の健康経営にも携わっている。総合内科専門医。循環器内科専門医。日本睡眠学会専門医。ビジョントレーニング指導者1級資格。

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